vol.13 ◆◆その長引く咳、あきらめていませんか?◆◆
■つらい症状に悩むあなたへ
秋も深まり、朝晩の冷え込みが身にしみる季節となりました。皆様におかれましては、健やかにお過ごしのことと存じます。
さて、「風邪はとっくに治ったはずなのに、咳だけがしつこく続いている…」「夜中や明け方に咳き込んで、ぐっすり眠れない」といった、つらい症状にお困りではないでしょうか。この時期、当店にも同じお悩みでご相談に来られる方が目立ってきます。周りの目も気になりますし、何より体力の消耗は本当におつらいこととお察しいたします。
その長引く咳は、単なる風邪のなごりではなく、身体が発している別のサインなのかもしれません。
■咳が長引く「本当の理由」とは?
咳が止まらない背景には、専門的な視点から見ると、いくつかの原因が考えられます。ご自身の判断だけで原因を特定するのは難しく、だからこそ症状が長引いてしまうケースが少なくありません。現在、特にご相談が増えている長引く咳の主な原因には、以下のようなものがあります。
• 咳喘息(せきぜんそく): 風邪などをきっかけに気道が過敏になってしまう状態です。特に、夜間から明け方にかけて、痰の絡まない乾いた咳が出やすいのが特徴です。
• アトピー咳嗽(がいそう): アレルギー体質の方に多く見られる、喉のイガイガ感を伴う乾いた咳です。就寝時や起床時など、身体が温まった時に症状が出やすくなる傾向があります。一般的な咳止めではなかなか改善しにくいのが特徴です。
• アレルギー: ハウスダストやカビ、ペットの毛といった身の回りの物質のほか、花粉が原因となることもあります。スギ花粉症患者の中でも、咳の出る人は3人に1人といわれています。
• 喉頭過敏症(こうとうかびんしょう): 喉の神経が過敏になり、通常なら問題にならないような些細な刺激(温度差、気圧の変化、会話、たばこ、香水、食事の匂いなど)にも反応して、咳が出てしまう状態です。
このように、原因は一つではありません。では、このような複雑な原因に、漢方はどのように向き合うのでしょうか。
■漢方が目指す、根本からの体質改善
前の章で見たように、長引く咳の原因は一つではありません。だからこそ、漢方では咳そのものを力で抑えるのではなく、咳が起こってしまう根本、特に気道や喉の「過敏な状態」を鎮めることから始めます。咳止めの薬を飲んでも一時的にしか効かない、というお悩みをお持ちの方にこそ、この考え方を知っていただきたいと願っています。
1. 気道の「過敏な状態」を鎮めるアプローチ
漢方では、咳そのものを力で抑え込むのではなく、咳を引き起こす根本原因、つまり気道や喉の「過敏な状態」そのものを穏やかに鎮めていくことを重視します。炎症を抑え、喉を潤す働きを持つ生薬などを組み合わせ、刺激に負けない状態へと導きます。
2. 身体全体の働きを整える視点
長引く咳は、身体全体のバランスが崩れているサインでもあります。漢方では、複数の生薬を組み合わせたオーダーメイドの処方により、気道の働きを改善するだけでなく、身体全体の調和を取り戻すことを目指します。これこそが、咳が出にくい身体をつくる「根本的な体質改善」につながるのです。
このアプローチは、再発の予防まで見据えたものです。そして、この漢方の考え方を最大限に活かすのが、専門家によるカウンセリングです。
■まずは、あなたの咳についてお聞かせください
「もう治らないかもしれない」と、あきらめる必要はありません。
実は今、あなたと同じように長引く咳に悩む方からのご相談が非常に増えています。決して、あなた一人だけの悩みではないのです。
私たちは、画一的な薬をお渡しするのではなく、まずはお客様の症状や体質、生活習慣などをじっくりとお伺いすることから始めます。その上で、数ある漢方薬の中から、「その方に本当に合った漢方薬をお探しします」。
つらい咳について、まずは薬剤師に話してみませんか?どうぞ、お気軽にご相談ください。
